有用菌も多いアスペルギルス

アスペルギルスのいくつかは日本では「コウジ菌」と呼ばれ、清酒・醤油・味噌などの製造に欠かすことができません。このような有用菌を含むアスペルギルスには現在150種以上が知られています。

空中、土壌、至るところに存在しているので、私たちは常にその胞子=分生子を吸い込んでいます。

健康であれば、体内に吸い込まれたこれらの分生子が病原性を発揮することはできません。しかし、何らかの原因で身体の抵抗力が弱まっているとき、アスペルギルスの感染が起こり、アスペルギルス症を発症します。

肺アスペルギローマ

レントゲン撮影で肺に陰影が見られるため、昔は結核と間違われることの多かった病気です。

病巣は周囲をがっちりと線維性肉芽腫性組織で囲み、中には薬がなかなか入っていかないようになっています。そのため、かつては大抵の場合摘出手術を受けるしかありませんでした。患部は菌糸の固まりです。

現在は、薬剤を直接病巣内に注入する方法が開発されています。