かびの種類 ー すすカビ(ススカビ、アルテルナリア)

少なく見積もっても3万種は下らないと言われるカビ。
毎年60〜80種の新しい菌が発見され、将来的には20万種くらいにはなるだろうとも予測されています。
その中で、私たちの身近に存在するカビについてご紹介します。

自然界に広く分布するカビ、すすカビ

俗名ススカビ、学名アルテルナリア(Alternaria)。

生息域は広く、果実やいも類・穀類、枯葉・枯草・乾し草などの自然環境中はもちろん、壁、古本・古紙、餅といった家屋内にもごく普通にいるカビ。黒カビや青カビ等と共に、人の生活の中でごく身近にあるカビの一つです。

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ススカビの住処になりやすい場所

ススカビは他の多くのカビと同様、高湿度の環境を好みます。

家の中の高湿度な場所としては、浴室・洗面所・トイレ・キッチン・排水口・エアコン・結露しがちな壁等がススカビ発生の要注意箇所です。キッチンでは、冷蔵庫がススカビの住処となることも。

また、ススカビの胞子はとても軽く、部屋の空気中に漂っていることもよくあります。ハウスダストとともに要注意です。

 

すすかび対策、掃除のポイント

他のカビと同様、とにかくこまめに掃除をしてホコリや水分を取り除き、清潔を心がけることが大切です。

特にススカビに関して気を付けたい箇所は、

バスルームの

  • シャワーカーテン
  • すのこ
  • 椅子や洗面器の裏側

洗面所やキッチンなど高湿度な場所の

  • プラスチック
  • ホース
  • ゴム手袋

エアコン内部のプラスチックにも繁殖するので、

  • フィルターのホコリをこまめに除去
  • 吹き出し口もこまめにきれいに
  • 春や秋にはできれば内部の洗浄

といった対策をしましょう。

また、結露が発生しやすい居間や寝室の壁・ビニールクロスや窓・サッシも要注意ポイントです。

 

ススカビはアレルゲンにもなる

ススカビの胞子には、

  • とても軽い
  • 空気中に飛散しやすい
  • 浮遊時間も長い

という特徴があり、「空中浮遊真菌」とも言われます。さらに、ススカビは胞子が大きいため鼻腔内に留まりやすくアレルゲンになりやすいものとしても知られており、花粉などと同様にアレルギー性鼻炎の原因になります。

梅雨時など湿気のある時期には空中やハウスダスト中など、多くの場所に存在する可能性があるので、家の中をこまめに掃除して、ススカビの繁殖を防止しましょう。

 

ススカビはアレルギー以外の病気の原因にもなる

アルテルナリアがひき起こす症状は、アレルギーだけではありません。皮膚真菌症や角膜炎、副鼻腔炎など、いずれも発生頻度は高くありませんが、罹患すると怖い病気がいくつかあります。

皮膚アルテルナリア症は、アルテルナリア属真菌を病原菌とする皮膚真菌症で、皮膚の表面だけに菌がいる浅在性と、もっと深いところにまで菌が入り込んだ深在性に分けられます。アルテルナリアの病原性は弱く、健康な人が皮膚アルテルナリア症を突然発症することは通常考えられません。身体のどこか局所的に、または全身的に免疫不全の状態にあるとまれに発症することがあります。

アルテルナリアによる角膜炎は、抗菌やステロイドの点眼薬を長期または不適切に使用していたり、植物によって角膜が傷ついたりした場合、皮膚真菌症と同様免疫不全がある場合等に発症することがあります。治療のために角膜を切除しなければならなくなることもあるので、発症頻度は高くありませんが、注意が必要です。

副鼻腔(鼻の穴の周りにある空洞部分)内にいるアルテルナリア等の真菌にアレルギーが関係する炎症・副鼻腔炎は、「アレルギー性真菌性副鼻腔炎」と呼ばれます。日本では発症が少なくまれな疾患とされていますが、欧米では手術に至った慢性副鼻腔炎の4〜10%程度を占めるとされ、日本では認知度が低いために有病率が正確ではない可能性があります。


主要参考文献 

正垣直樹他「Alternariaによるアレルギー性真菌性副鼻腔炎(allergic fungal rhinosinusitis)の2例」(『耳鼻と臨床』Vol.57(2011)No.1)

日本眼科学会「感染性角膜炎診療ガイドライン(第2版)」(『日眼会誌』Vol.117(2013)No.6)

皆川結・木花いづみ「深在性皮膚アルテルナリア症の一例」(『日本医真菌学会雑誌』Vol.46(2005)No.3)

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