黄麹かびの特徴

日本の食文化を語るうえで外すことができない醸造と発酵。醸造は発酵作用を利用して、味噌や醤油、お酒などを作ることです。そして、発酵食品の醸造に用いられるのが「麹」です。麹は日本の数多くの発酵食品の製造に欠かせないかびです。麹菌には黄麹、白麹黒麹紅麹、カツオブシと5種類ありますか、その中でも今回は黄麹かびについて紹介します。
黄麹かびはアスペルギルス属でタンパク質をアミノ酸に、デンプンをブドウ糖に分解する酵素を生産することが大きな特徴です。黄麹かびの学名はAspergillus oryzaeと言いますが、oryzae (オリゼー)はラテン語でお米のことです。また、黄麹かびはニホンコウジカビと呼ばれ、日本酒の醸造や味噌、醤油作りなど幅広く利用される日本の国菌です。5種類ある麹ですが、一般的には蒸米に黄麹かびを生育させたものを麹と言います。黄麹かびの胞子は若い頃は白色ですが、成長するにつれ黄色から緑色に変色することから黄麹かびと呼ばれます。黄麹かびを木灰をまぶした蒸米の上で繁殖させ、胞子を乾燥させたものを「種麹」、「もやし」と呼びます。平安時代から室町時代には朝廷や幕府公認の専門業者、麹座だけが「もやし」を製造することを許され、醸造元に卸していたということです。

黄麹かびから作られる食品

日本の国菌で日本の発酵食品に欠かせない黄麹かびは酒類、調味料、漬物など日本の食文化に欠かせない多くのものを生み出してくれます。黄麹かびから作られる食品には次のようなものがあります。

  • 酒類
    日本酒、乙類焼酎(米、芋、麦など)、白酒、甘酒、みりん
  • 調味料
    味噌、醤油、米酢
  • 漬物
    べったら漬、モロミ漬、奈良漬・わさび漬(粕漬)