カエルツボカビ症の特徴

カエルツボカビ症は「カエルツボカビ菌(Batrachochytrium dendrobatidis)」によって引き起こされる両生類特有の新興感染症です。1998年に初めて中米にて確認された以来、北中南米・アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド・ヨーロッパ圏内にみられました。そしてアジア圏内では2006年に日本に輸入されたペット用カエルからはじめて検出されました。ちなみに、人間に感染することはないといわれています。
カエルツボカビ菌は両生類の皮膚の角質層に寄生し、ケラチンなどを栄養分として増殖します。最初は食欲不振などの症状から始まり、皮膚呼吸などの皮膚にまつわるさまざまな機能を阻害していき、進行すると変色や異常な脱皮、紅斑の発症、縮瞳、筋協調不能、縮こまった姿勢、開口などの症状が現れ、重症化すると死亡します。このようなことから、カエルツボカビ症は世界各地でおこる両生類の個体数減少などに深い関係があるのではないかとされています。

カエルツボカビ症について

カエルツボカビ菌は無性生殖をおこなう胞子の一種である遊走子(ゆうそうし)と遊走子嚢で構成されています。遊走子には後方へ延びる1本の鞭毛があり、水中を泳ぎ、両生類の皮膚に付着します。成長すると遊走子嚢を形成し、放出管より成熟した遊走子がさらに放出されていくしくみです。こうして感染・寄生するために「水」が必要となるのがこの菌の特徴です。遊走子は水道水の中でも約3週間は生存できるとされており、両生類に寄生していない状態でも自然界にて約7週間は生存できると言われています。
また、両生類のツボカビ症関連の感染は致死率が90%以上ととても高く伝播力も強いことから、世界中に生息している両生類の個体群減少が危惧されている状況です。現在は特に中米やオーストラリアにて多く検出されていますが、日本においては2006年の初確認以降、とくに大きな被害の状況は報告されていません。