オクラトキシンAは何に発生するか

300種類以上あるカビ毒の中でも食品汚染の代表的なものの1つがオクラトキシンAです。オクラトキシンはアスペルギルス(コウジカビ属)・ペニシリウム(アオカビ属)のカビ類が産生する生まれるカビ毒(マイコトキシン)で、A、B、Cなど数種類ありますが、オクラトキシンAは毒性が強いことで知られています。
米や麦類・トウモロコシなどの穀類や穀類の加工品、コーヒー豆・カカオ、ビール・ワインなどの酒類、乾燥果実や香辛料など、さまざまな食品から検出されています。オクラトキシンAは熱帯から温帯の寒冷地まで幅広い地域で発生するため、国際的な問題となっています。

オクラトキシンAの危険性

オクラトキシンAは動物試験により腎臓に毒性を示すことが確認されています。また、げっ歯類では発がん性が認められているほか、国際がん研究機関(IARC)ではオクラトキシンAを「ヒトに対して発がん性の可能性がある」と位置付けられています。オクラトキシンAは人の血清タンパクと強く結合して、体内に長時間残存するので、たくさん摂取すると人体に影響を与えやすいとされています。オクラトキシンの摂取量は血液中のオクラトキシンA濃度を測定して知ることができますが、汚染濃度、頻度が高い穀類をよく食べるヨーロッパでは、オクラトキシン濃度が高いことが報告され、その対策としてEUでは世界的に最も厳しいとされる規制値を各食品に設定しています。
日本においては食品安全委員会がオクラトキシンAのリスク評価を行い、耐容一日摂取量:TDI(毎日一生摂取し続けても健康に悪影響を及ぼさない量)が設定されました。それによると発がん性以外の毒性については16ng/kg体重/日、発がん毒性については15ng/kg体重/日となっています。日本におけるオクラトキシンA摂取の推測量は、平均0.14ng/kg体重/日、摂取量が多い層でも2.21ng/kg体重/日とされ、TDIを下回っているので、今のところ一般的な日本人に健康被害を及ぼす可能性は低いと考えられています。